おーい。と声がしたので振り返った。
そこにいたのは、お世辞にもきれいとは言えない衣服を纏ったAだった。

15年ぶりの再会だが、開口一番彼は
「金を貸してくれ。」
と言ってきた。

生憎だが、Aに貸せる金は持ち合わせていない。

聞いたところによると、Aは日ごろの不摂生からかなりの借金があるらしい。

目をしょぼしょぼさせてAは僕に話す。

会社も辞めてしまったし、ニートが長いからどこにも働くあてがない。
しかも借金も自転車操業で普通のところでは借りられないと言う。

僕はそういえば、と思い。
街金で借りたらいいじゃないか。

そう告げた。

Aは目を輝かせて、何度もうなづくと
どこにあるんだ?と言った。

僕はポケットから街金の住所が書いてあるポケットティッシュを取り出すとAの手に握らせる。

「おれ、頑張ってみる。」

血の巡りの悪そうな顔色を紅潮させて、Aは走っていった。

頑張ることは何事もいいことだ。

僕はA君に向かって大きく手を振った。